ビジネス

自由が人・モノ・カネをもたらす象徴的都市・バンクーバー

大前研一氏が語るバンクーバーの強みとは

 経営コンサルタントの大前研一氏が主宰する企業経営者向けの勉強会「向研会」では、毎年秋に1週間ほど海外への研修旅行を行っている。今年は、成長著しいアメリカ西海岸北部のシアトルとカナダ・バンクーバーを訪れた。大前氏が、バンクーバーの強みについて解説する。それは、米・トランプ大統領の方針により、アメリカ人の雇用を増やすため、専門技能を持つ外国人向け就労ビザ「H-1B」の審査が厳格化され、海外の人材がアメリカで働けない事態になっている件とかかわっている。

 * * *
 もともと私がバンクーバーを視察先に選んだのは、日本の経営者たちに自然が豊かなカナダの魅力を知ってもらいたいと思ったからだが、今はこの国の人材の豊かさが、トランプ政権の移民対策と人手不足に悩むIT企業にとって大きなメリットになっているのだ。

 バンクーバーでは、いわば無限に人が採用できる。そのため、マイクロソフトは3000人の人材プールをバンクーバーに作ると発表しているし、(シアトルに本拠を構える)アマゾンが最大5万人を雇用するとされる第二本社の候補地としても取り沙汰されている。

 カナダのトルドー首相は、ツイッターで「迫害、戦争、テロから避難してきた人々へ。信仰にかかわらず、カナダはあなた方を歓迎します。多様性は我が国の強みなのです」というメッセージを投稿し、難民・移民を歓迎する姿勢を打ち出した。「カナダは違いがあって“も”ではなく、違いがある“からこそ”強くあることを学びました」とも述べている。実際、カナダは毎年25万人以上の移民を受け入れ、国内の多様性を生かしたイノベーションによってグローバル化を推し進めている。

 その象徴的な都市がバンクーバーである。ここは、シアトルと同じく、住環境が非常に良い。ダウンタウンから海と山が見え、鮭をはじめとする魚介類は旨いし、夏はウォータースポーツやトレッキング、冬はスキーが楽しめる。英誌『エコノミスト』の調査部門が発表した「世界で最も住みやすい都市ランキング2017」では、オーストラリアのメルボルンとオーストリアのウィーンに次ぎ、僅差で3位に選ばれている。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン