国内

消費増税で前回は6割の品目が値上げ 次回は増税不況到来か

消費増税後は「便乗値上げ」が待っている

 政府では2018年に向けて給与所得控除の廃止・縮小や公的年金等控除の引き下げといった増税議論が行われている。それに加え2019年10月から消費税率が10%へ引き上げられる。消費税増税が怖いのは税率アップと便乗値上げのダブルパンチに見舞われることだ。

 前回2014年の消費税増税後には、電気料金が約4%値上げされ(全電力会社平均)、東京ガスの都市ガス料金は6.6%アップなど光熱費をはじめ、衣類、日用品からブランド品までなんと「全品目の6割」で増税分を上回る値上げが行なわれた。その悪夢は2019年も繰り返されると覚悟しなければならない。

 そしてやって来るのは増税不況だ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。

「いまの日本の景気をなんとか支えているのはゼネコンの建設特需と株高ですが、東京五輪に向けた建設特需がちょうど終わるタイミングの消費税増税は日本経済全体を不況に突き落とします。株価は急落し、ゼネコン不況が始まる。

 増税と社会保障負担で可処分所得が減り、消費不況で製造業から流通・小売り業まで企業業績は悪化、当然、社員の給料は上がらないし、リストラも始まるでしょう」

 すでに銀行ではメガバンクが3行がそろってAI(人工知能)への移行などを見越して新規採用の抑制を計画するなど、人手不足から一転、失業の時代への曲がり角に来ている。

 国民がこのまま政府の大増税を許してしまえば、日本経済と国民生活は真っ逆さまに堕ちていくのは間違いない。

※週刊ポスト2017年11月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン