■社会的フレイル
社会的孤立、閉じこもり
といった幅広い範囲の不調を指します。これは多くの場合、『社会とのかかわりが減る』ところから始まり、『生活範囲が狭まり』、『心が落ち込み』、『口腔機能』が低下し、『低栄養』状態になり、ついに『身体機能』が低下し、さらに社会とのかかわりが減る。この負のスパイラルが深刻であり、1つの症状だけでなく、全体像を見る必要があるからです」
高齢者が社会とのかかわりを失う過程やリスクは、社会で忙しく過ごす子世代には実感しにくいことかもしれない。ではどんな不調や症状をきっかけに、フレイル対策をすればよいのだろう。
「当院でもこの10月からフレイル外来を設け、以下のような目安になる症状や不調を挙げています。これは簡易フレイル・スケール(国立長寿医療研究センター)を基にしていますが、次のような病気の可能性も考えられます。
【1】体重減少
サルコペニアや低栄養、口腔機能障害のほか、糖尿病やがんなどの疾患。
【2】歩行速度低下
サルコペニア、ロコモティブ症候群のほか、神経疾患、心肺機能の低下。
【3】記銘力低下 【4】主観的疲労感
軽度認知障害、うつ・不安、認知症。
【5】身体活動低下
社会的孤立、閉じこもり
このほかにも、●階段の昇降が困難●飲料などの2リットル入り容器が持ち上がらない●ものをよく落とす●よくつまずくなど。1つでも当てはまったらぜひ受診を。
当院のフレイル外来では診察・検査を経て、院内外の各専門外来、栄養・運動療法の施設、通所サービスやボランティア活動などの社会参加活動の場へつなげ、サプリメントや栄養補助食品などの処方も行っています」
身近にフレイル外来がない場合は、かかりつけ医に相談してみるといい。
※女性セブン2017年11月23日号