「開頭手術によるクリップ治療は、動脈瘤をクリップで挟み、完全に血流を止めるため根治が可能です。大きな動脈瘤では、周囲の血管や神経が動脈瘤に癒着していることも多く、顕微鏡で一つ一つ癒着を剥がしながら、複数のクリップを使うことで対応します。比較的若い方に対しては、再発予防も考え開頭手術を勧めています」(水谷教授)
最大径25ミリメートル以上の脳動脈瘤は特に巨大脳動脈瘤と呼び、動脈瘤への血流を止めるためにバイパス手術を行なうことがある。水谷教授はコンピュータ3D画像を駆使し、詳細なシミュレーションを行ない、クリップ治療とバイパス作成に加え、血管内治療の技術を取り入れたハイブリッド治療で精度を上げている。
未破裂脳動脈瘤は多くの条件を考慮し、最適な治療法を選択することが重要だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年11月17日号