では、貯めたポイントは盗まれてしまったら諦めるしかないのだろうか。女性セブンデスク・Wのポイント泥棒の被害を知った女性セブン編集長は、Wを呼び出し、こう命じた。
「同じように涙をのんだ読者は多いはず。お前は盗まれたポイントを必ず奪還して、読者のために体験談を記事にするんだ!」
◆弁護士、警察、ヤフーに連絡
こうして“編集長命令”によって始まった「奪還大作戦」。とはいえ、まず何から始めていいのかがわからない。そこでポイント問題に詳しい森・濱田松本法律事務所の増島雅和弁護士に相談した。
「ポイントは買い物に付随する“おまけ”という位置づけですが、お金と同様に使用できるので“財産的価値”が認められる。『電子計算機使用詐欺』という犯罪にあたる可能性があります。警察に相談してみるのが近道ではないでしょうか」
増島弁護士のアドバイスを参考にWが連絡したのは「警視庁サイバー犯罪対策課」だ。 身に覚えのないTポイントの利用があった。被害届を出すことはできるのか?
「被害届は所轄の警察署に出すことになりますが、所轄にはサイバー犯罪に詳しい人がいない場合が多い。ポイントは、お金ではないので窃盗では被害届が受理されない可能性が高く、そうなると不正アクセスの被害に遭ったと届けを出すことになるのですが、立証が難しいですね」
どうすればポイントを取り戻すことができるのか?
「ヤフオク!に不正アクセスされて使用されたということであれば、Tポイントの運営会社ではなく、ヤフーに連絡してみてはどうでしょう?」
ネットトラブルに詳しい一般社団法人ECネットワーク理事・原田由里さんも言う。
「まずはポイントの発行元に連絡しましょう。発行元はポイントが不正に使用された経緯の調査ができるため、対応してくれる可能性がある」
Wは警視庁や原田さんのアドバイスに従って、ヤフーに連絡しようとHPで電話番号を探した。だが、メールによる問い合わせフォームしか見つからない。近年、ネット関連企業は問い合わせがメールのみの場合が多い。
正直、電話ではなく、メールで問い合わせと聞いただけで煩わしさを感じ、断念するケースも少なくないだろう。
だが、今回は多少面倒くさくとも諦めるわけにはいかない。だって編集長のカミナリが落ちたら一大事だから…。