スポーツ
2017.11.19 07:00 週刊ポスト
角居勝彦調教師 直線でぶつかる格闘技としての競馬を語る

角居勝彦調教師が競馬の激しさを語る
併走することで競走馬の闘争本能をかき立てる効果を期待する調教を「併せ馬」という。キレで勝負する馬とは別に、「勝負根性」をウリにする馬もいる。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、格闘技としての競馬について考察する。
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ラストの直線。外に出すか内ラチ沿いに切れ込むか。前回は外側のメリットを中心に書きました。内側はどうしてもゴチャつきやすく、スムースに走りにくい面はあります。
しかし狭いところが好きな馬もいる。馬体がぶつかっても怯まず、気合が入るタイプです。
ぶつかることは、日本の競馬ではあまりよしとはしないものの、ヨーロッパでは普通にぶつける。寄せていけば相手も張り合ってくる。陸上の短距離のように走行レーンが決まっているわけではないので、ぶつかって当然。競馬には格闘技の側面もあるということです。「狭いところをこじ開ける」と、よく聞きますね。頭だけ入って、横に揺すって広げていく。ヨーロッパのジョッキーはそれをやります。
日本でもペナルティを科せられない範囲ならばありではないでしょうか。闇雲ではなく、隣の状況が見えていて、乗り手に自信があることが条件。大事なのは隣の馬の後方の様子。ぶつけたことで隣の後ろが不利を被るといけません。
ぶつかるといえば、角居厩舎ではやはりデルタブルースでしょう。厩舎に初のGI勝利をもたらした2004年の菊花賞では、4コーナーを回って先頭を行くコスモバルク(4着、五十嵐冬樹騎手)に外からぶつかった。あれでデルタに気合が入った。鞍上(岩田康誠)の気性も無関係ではなく、まあ喧嘩です(笑い)。
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