国際情報

中国で離婚増加 半数が「嫁姑トラブルが原因」との説も

中国の離婚増の背景には住宅問題がある

 中国は一人っ子政策を段階的に廃止してきている。その一方で離婚も増えているという。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が解説する。

 * * *
 まるでパスポートのように大きく「中華人民共和国」の文字が印刷された朱い冊子。下には政府のマークも刻まれているのだが、その下にある文字は、なんと「離婚証」とある。そんな離婚証なるものが発行されて、ときには提示を求められるとは知らなかったが、その写真を大写しで掲載したのが、『東方ネット』(10月16日)である。

 見出しにあるのは、〈我が国の離婚者数 昨年だけで830万人を突破 離婚の原因の47%がなんと嫁姑トラブル〉である。つまり相性を含めた夫婦の問題ではなく、それ以外の問題がおよそ半分の動機を占めているということだ。

 この数字の背景として気になるのが、中国では相変わらず結婚後も夫の両親の家に転がり込むなど二世帯同居が普通に行われているということだ。どうしてそんなことになるのかといえば、当然のこと不動産価格の問題がある。

 現在、中国の不動産は北京や上海、深圳といった大都会はもちろんのこと、各省の省都ほか、二番目から三番目くらいの都市くらいまでは、不動産価格が上がり過ぎていて、とても若者に手が出る水準ではなくなっているのだ。かねてから指摘されてきたことだが、若い夫婦が二人の時間を持つためにその両親である老人が長い時間を公園などで時間を過ごしてきた。中国の住宅事情の「あるある」だが、これでは互いにストレスがたまる。

 日本同様、いまや少子高齢化は中国でも大きな悩みで、有名だった「一人っ子政策」も段階的に廃止してきた。だが、中国の若者はいま、「笛吹けど踊らず」で政策を緩和してもその効果が現れないことが政府の悩みになっている。

 中国政府はやはり子供を産めと言う前に、住宅事情を改善して離婚を食い止めなければならないのだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン