「2センチ以下と小さい腺がんは、がん周辺と関連するリンパ節だけを切除する区分切除の方が肺の機能を残すことが可能です。そのため開胸と胸腔鏡を組み合わせたハイブリッドVATS手術を行なっています」(鈴木主任教授)
昔の開胸手術は胸脇を約30センチ切り、肋骨を1本取る大がかりなものだった。鈴木主任教授が行なっているのは、胸脇後側方を約7~10センチ切り、そこから胸腔鏡を挿入する。肺を触り、がんの位置を確認しながら手術できるので、適切な位置を切除することが可能だ。仮に出血やリンパ節が硬く切除できない場合でも、少し傷を伸ばすことで確実に対処でき、これで低侵襲治療が可能となった。
腺がんは、X線では映らないため早期発見にCT撮影が欠かせない。肺がんが増えている現在、非喫煙者も3年に1回のCT検査が推奨される。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年12月15日号