◆スタッフの離職率アップ
一方で、介護スタッフにも制度変更が暗い影を落とすことになりそうだ。
「ただでさえ人手不足でリハビリ専門の職員を雇う余裕はないから、一般の介護スタッフが運動療法的なことの講習会に出席させられたりする。その成果を報告するための書類作りも必要となるでしょう。給料が上がらずに負担を押し付けられて、スタッフの定着率が下がることも考えられる。ケアの質の低下につながり、結局は利用者のためにならないと思うのですが……」(前出・ケアマネージャー)
福祉ジャーナリストの浅川澄一氏はいう。
「そもそも老衰は日々確実に進むものであり、長い目で見れば要介護度は必ず悪化するものです。はたして介護サービスによる“成果”は計れるものなのか。介護の目的は『自立支援』だけで評価されるものなのかという疑問が浮かびます」
※週刊ポスト2017年12月15日号