ライフ
2017.12.11 11:00 週刊ポスト
死後の「献体」希望者が年々増加中、注目を集める理由とは

献体はなぜ増えているのか(写真:国際医療福祉専門学校提供)
人が亡くなってからの“後始末”について、常識が大きく変わりつつある。親族や友人に葬式で見送られ、家の墓に入る──そんな“逝き方”が、当たり前ではなくなるかもしれないのだ。都内在住の会社員A氏が困惑気味につぶやく。
「60歳を前に保険の見直しプランを練っていたら、妻から『高い保険料を払って死亡保障を手厚くするのはもったいない。“献体”なら火葬費用もいらないようだし、考えてみたら?』と冗談交じりに言われました。1人娘にも『私が嫁いだらお墓を継ぐ人もいなくなるし、いいんじゃない』と追い打ちをかけられ、返答に窮しましたよ」
近年、死後の「献体」が注目を集めている。献体とは、医学・歯学の研究や教育のために遺体を無条件・無報酬で提供すること。医学部や歯学部のある全国91の大学と「献体篤志家団体」と呼ばれる57の組織などが窓口になり、2017年3月末時点で28万人超が登録済みだ。10年前に比べて7万人増で、登録は年々、増加している。
「登録者が亡くなると葬儀業者らが遺体を引き取り、腐敗を防ぐためにホルマリン溶液を注入・保管し、大学で解剖に備えます。ご献体は尊い意志によるものですから、実習前には必ず教員・学生がご遺体に合掌し、敬意と感謝の念を捧げます」(国際医療福祉専門学校・増茂誠二主席顧問)
篤志解剖全国連合会会長の松村譲兒・杏林大学教授は、現状をこう語る。
「制度が始まった50年代に比べて献体の社会的な認知が進み、最近は団塊の世代の登録者が増えている。解剖学教室の保管スペースが足りず、登録を制限する大学も出ています」
関連記事
トピックス

黒木メイサや吉岡里帆も 有名人のInstagramアカウント乗っ取りが続発する背景
NEWSポストセブン

『青天を衝け』草なぎ剛&木村佳乃の共演にテレビ界が驚く理由
週刊ポスト

「アレは森喜朗の娘でしょ」 小池百合子氏vs橋本聖子氏の長き因縁
週刊ポスト

眞子さま結婚問題に言及 陛下から殺伐とした秋篠宮家へのメッセージか
女性セブン

『おちょやん』 一本調子だった杉咲花を「弟」が変えた
NEWSポストセブン

橋本聖子氏 セクハラより蒸し返されたくない「実父の20億円借金」
女性セブン

秋篠宮家で1年間に5人の宮務官が依願退職 背景に眞子さま結婚問題か
週刊ポスト

福原愛、帰国で夫婦別居へ SNSに意味深ポエム、結婚指輪も外し…
女性セブン