副腎にはストレスや炎症、低血糖状態を緩和するホルモンを分泌する役割があり、弱るとストレスに対する抵抗力も落ちます。また糖質は腸内の有害菌のエサになるため、腸管が炎症を起こし、鉄分の吸収もいちだんと悪くなります」
鉄欠乏の厄介なところは、自分で気づきにくいことだ。血中の鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血は、血液検査でヘモグロビンの値が低い場合に診断されるが、うつなど、鉄欠乏による不調は貧血になる前から始まるという。
「体内で鉄が不足すると、脳内ホルモンやミトコンドリアに使われる全身の鉄から先に失われ、血液中の赤血球の中の鉄は最後まで守られます。ですからヘモグロビンの数値が問題なくても、鉄欠乏になっている可能性はあります。
うつや倦怠感、不眠などの不調以外にも、すぐに鉄欠乏をチェックできるのが爪の状態です。鉄は爪の主成分であるケラチンの生成にも重要な役割を担っており、不足すると爪の丸いアーチが減ってしまいます。
更年期の人の鉄欠乏は主に鉄の不足によるもの。高齢者は、いろいろな疾患で炎症が起きやすく炎症性の鉄欠乏が主だと考えられますが、いずれの場合でも爪に兆候が表れますので、まずは爪をチェックしてみましょう」
【鉄欠乏がすぐわかる 爪チェック】
●爪の部分が白い
透明感と光沢があり、薄いピンク色なら健康。色が白っぽく、カサついていたら要注意。
●爪のアーチがなく平ら
健康な爪は断面がアーチ形になっている。薄く平坦になっているようなら鉄欠乏かも。
●押すとやわらかい
片側の親指で爪の上からしっかり押したとき、薄くてやわらかく感じるようならSOS。
●指先が冷たい
鉄欠乏により細胞のエネルギーが不足し、指先の血行が悪くなっている可能性が。
●爪切りでパチンと鳴らない
赤ちゃんのように爪がやわらかいと、爪を切ったときに音が鳴らない。
※女性セブン2017年12月21日号