国際情報

親北を掲げる文在寅政権の先は「赤化統一」と暗黒の生活

韓国政権中枢は「親北派」

 人権派弁護士のまま韓国大統領となった文在寅氏は、北朝鮮への融和政策を変えようとしない。国際社会が「北朝鮮包囲網」で連携するなか、人道支援の実施を決め、政権スタッフも親北派ばかりを起用し、「北朝鮮の理解者」を内外にアピールしていると元駐韓大使の武藤正敏氏は指摘する。このままだと、韓国にはどんな未来が待っているのか、武藤氏が解説する。

 * * *
 北朝鮮が自ら核ミサイルの開発をやめることは残念ながら考えられない。現在の金正恩体制下で核ミサイル開発が頓挫すれば北朝鮮国内で金正恩委員長に対する不満が一気に広がり、クーデターを招く。核ミサイルを是が非でも完成させ、米国から譲歩を引き出す以外に体制の維持はできないと考えているはずだ。

 文大統領は「圧力重視の強硬姿勢ではこれまで何も成し遂げていない」というが、それは中国が制裁に参加していない時点でのこと。今回、中国は北朝鮮への経済制裁に参加する姿勢を見せている。

 実利を重視する中国は、北朝鮮が不安定化し中朝国境を越えて難民が押し寄せることも、軍事衝突が起きて在韓米軍が北上することも望んでいない。しかし、今や北朝鮮を支えるコストのほうが高くつくと踏んでいるはずだ。

 こうした世界の変化が、文大統領にはまるで見えていない。

 それでも「親北」を掲げる文政権は、仮に北朝鮮が核ミサイルを持つことになっても戦争だけは避けようとしているのではないか。その先には「赤化統一」が待ち受け、韓国国民は北朝鮮のような暗黒の生活を送ることになるのを理解しているだろうか。

●むとう・まさとし/1948年東京都生まれ。横浜国立大学卒業後、外務省入省。在大韓民国大使館に勤務し、参事官、公使を歴任。アジア局北東アジア課長、在クウェート特命全権大使などを務めた後、2010年、在大韓民国特命全権大使に就任。2012年退任。著書に『日韓対立の真相』、『韓国の大誤算』、『韓国人に生まれなくてよかった』(いずれも悟空出版刊)。

※SAPIO2017年11・12月号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン