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市井に上手く溶け込む異常犯罪者 見分けることは難しい

バラバラ遺体と2か月共に暮らした白石隆浩容疑者

 2017年、日本列島を震撼させた出来事といえば、11月に神奈川県座間市で発覚した9遺体事件にほかならない。この事件では、白石隆浩容疑者(27才)がSNSを用いて自殺願望のある人々に接近し、男女9人の遺体を包丁やのこぎりで解体。自宅のクーラーボックスや大型の収納箱に収容し、何食わぬ顔で日常生活を送っていた。

「被害者の名前は知らない」、「3人目以降は殺した順番も覚えていない」。取り調べでそう供述する白石容疑者に対し、発覚直後から「サイコパス」「シリアルキラー(大量殺人者)」との声が上がったが、今回海の向こうから事件を分析し、日本社会に潜む“同類”の存在を指摘するのが、元FBI特別捜査官でプロファイラーのマーク・サファリック氏だ。

 FBI時代、同氏は米カリフォルニア州で3人の子供と母親が射殺された2003年の「ベーカーズフィールド事件」で、現場に残された痕跡を丹念に調べ上げ、事件解決に導いた実績を持つ。

 現在は警察官やFBI捜査員の指導員として活動しており、過去には日本のテレビ局の依頼で、未解決の世田谷一家4人殺害事件のプロファイリングを行ったこともある。

 異常殺人を分析するプロであるサファリック氏は、白石容疑者について「サイコパスである確率は極めて高い」と指摘する。

「サイコパスとは、『反社会性人格障害』ともいわれる、精神的な疾患の一種です。最大の特性は、共感能力の欠如。彼らは相手に感情移入することが一切ない。加えて自分の行動を顧みることがなく、罪の意識を持つこともない。白石容疑者は遺体の解体について『最初は3日かかったが、2人目からは1日でできた』と、まるで単純作業のように供述している。反省の言葉はなく、犯行内容を自ら淡々と話しており、サイコパスの特性に当てはまります」

 共感性の欠落だけでなく、「病的な嘘つき」「強い支配欲を持つ」といった性質を併せ持つのもサイコパスの特徴。

 白石容疑者は、自分も自殺志願者であると見せかけ、巧みに犠牲者を自宅アパートに呼び寄せ、無慈悲にも殺害していたと伝えられている。

 サイコパスは先天性のものや、家庭環境やいじめ体験など後天的要因が複合的に絡み合って発症するケースもあり、白石容疑者の猟奇性が何によって育まれたのか、今はまだ定かではない。

◆サイコパスが多い職業ランキング

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