スポーツ

いつまで続く? 貴乃花親方の沈黙と「スリーパー効果」

角界の騒動はいつまで続く?

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、連日テレビで見ない日はない、角界のゴタゴタについて言及。

 * * *
 年をまたいで、まだまだ続きそうな元横綱・日馬富士関による傷害事件。暴行を受けた平幕・貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方が相撲協会の聴取要請を拒み続けるなど、協会と貴乃花親方の対立がますます鮮明になっている。

 20日には、両国国技館で相撲協会の臨時理事会が開かれたが、テレビに映し出された貴乃花親方は、これまで同様、椅子の背に深くもたれて胸を張り、硬い表情ながらあごを上げ、ふんぞり返ったように座っていた。貴乃花親方の母、藤田紀子さんは「姿勢が良すぎてふんぞり返っているように見えるけど、ふんぞっているんじゃない」と、某番組で擁護するようなコメントをしていた。だがはた目には、この姿勢は理事会との対決姿勢を象徴していように見えるだろう。

 長テーブルをはさんでずらりと座る理事の面々。椅子に深く座り、背にもたれている親方も多いが、どの親方もふんぞり返っているようには見えない。貴乃花親方だけが、そこから浮いているのだ。

 なぜ、貴乃花親方だけがそう見えるのかというと、テーブルから頭までの距離が、他の親方よりも離れているからだ。人はストレスのあるものやマイナス感情を抱くものを避けたいと思うと、そこから無意識に身体を遠ざけようとする。テーブルから遠いということは、それだけ理事会へのマイナス感情やストレスが強いように見える。

 貴乃花親方は、胸を張って背筋を伸ばしているが、肩甲骨をぴったり背もたれにくっつけるようにして、肩を大きく開いている。だから余計、ふんぞり返ったように見えるのだが、このような姿勢は人の心を強くさせるのに効果があるといわれている。人の心は、自分がとっている姿勢に大きな影響を受けるからだ。

 これはパワーポーズと呼ばれる姿勢だ。自信を持ってプレゼンしたい時や面接を受ける時など、その前に、足を広げ腰に手を当てて胸を張って立つポーズや、握りこぶしを作ったり、貴乃花親方のような姿勢をすると、気分が上がり強気になれるというもの。

 硬い表情で口をまっすぐに結んだ八角理事長の真正面の席に、パワーポーズの貴乃花親方が座っている。真正面に向きあう席は、心理的な緊張を最も高め、意見を言い合う、競い合う時に適しているといわれる位置だ。身じろぎもせず、表情を変えることなく対面する2人がまっすぐ見合っているのだから、画面を見ているこちらには対決の構図にしか見えない。そのため、貴乃花親方の沈黙に余計に特別な意味を感じ取るのである。

関連記事

トピックス

民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン