中国の刑法では第249条に「(少数)民族差別および侮辱扇動罪」が定められており、罰則は「3年以下の有期懲役」とされている。あるいは、「特別に重大な犯罪者については、3年以上10年以下の有期懲役」と記されている。これは外国人にも適用されるので、要注意だ。これについて、中国事情に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は次のように指摘している。
「このような罪状は中国共産党の少数民族統治対策の意味合いが強い。中国では人口の92%を占める漢族を除いて、少数民族として55のグループに分類されている。このなかには、独立を叫ぶ新疆ウイグル自治区やチベット自治区の少数民族も含まれており、モンゴル族の一部にも漢族への反発が強い人々がいるとされる。このため、刑法に民族差別および侮辱扇動罪が定められているのも、『民族共和』を謳う中国共産党による民族支配を促進するためだといえよう」