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コンビニの「20歳以上ボタン」論争 社会の無機質化の現れか

「20歳以上」ボタンに勝谷氏が物申す(時事通信フォト)

 コンビニエンスストアでお酒やたばこを買おうとすると、レジで必ず「私は20歳以上です」の表示にタッチするよう促される。未成年の飲酒・喫煙を防止するために必要な手続きとはわかっていても、これには「煩わしくて仕方ない」という意見が少なくない。

「店員に“こんな禿げ上がって皺だらけの未成年がいるか?”って毒づいてやった」(70歳男性)
「“そんなに若く見える? ありがとね”と嫌味で返した」(62歳男性)

 などという話がそこかしこから聞こえてくる。コラムニストの勝谷誠彦氏(57)も違和感を覚える。

「コンビニで酒を買う機会は多いので、いつも“見りゃ分かるだろ”って思うね。役者の梅沢富美男さんも言っていたんだけど、彼は“この俺を見て本当に未成年と思うのか!”って暴れたって(笑い)。僕は一刻も早く酒を飲みたいから黙ってボタンを押すけど、結局、“ちゃんと確認しました”という店側のアリバイ作りに付き合わされているだけですからね」

 勝谷氏は、不満の背景に「小売現場でのコミュニケーション不足がある」と分析する。

「多くの店員が“こちらお願いします”とロボットのようにボタンを指さすだけ。せめて“すみません、決まりなので……”と言ってくれれば、“そっちも大変だね。仕方ないなァ”って気になるんだろうけどね。客にボタンを押させるというマニュアル化した行為が、互いを慮る人間として当たり前の会話を奪っている。社会が無機質になっていることがハッキリと見える場面だからこそ、我々世代が苛立つのかもしれません」

 たかがボタン、されどボタン。まァ今度は表示が〈すみませんが、20歳以上の方はボタンを押してください〉に変わるだけかもしれないが……。

※週刊ポスト2018年1月1・5日号

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