博報堂は創業120年を迎えた2015年に『博報堂120年史』を発行。コンパクトにまとめたペーパーバック版では直木賞作家の逢坂剛氏や、「負け犬」の言葉を流行させた酒井順子氏など同社のOB作家が執筆陣に名を連ねる。
それぞれの書きぶりも実に個性的だ。酒井氏はPR局に配属されて〈「ぴ、ぴーあーるというのは何をする所だっけかな……?」と、目が泳ぎます〉という初々しい新人時代の思い出を綴っている。
一方、逢坂氏は博報堂勤務時代について書くはずが10ページにわたり自らの生い立ちを書くという意外な展開に。
「自由に書いていただくようお願いしたら、逢坂さんは『挿絵画家である父親(中一弥氏)の絵を使おう』と言って、お父さんの話を書かれました。みなさん生き生きとした原稿を寄せてくださいました」(編纂委員会事務局長を務めた寺島二郎・広報室長)
※週刊ポスト2018年1月12・19日号