ビジネス

シェイク・シャック 「バーガー1個680円」でも人気衰えぬ訳

行列の絶えないシェイク・シャック(東京国際フォーラム店)

 マクドナルドの業績回復でハンバーガー業界が再び賑わいを取り戻しているが、巨大チェーンのマクドナルドが低迷している間に人気を博していたのは、低価格のファストフードの上をいく高級バーガー。その代表格が2015年に日本に初上陸した米バーガーチェーンの「SHAKE SHACK(シェイク・シャック)」だ。

 もともとニューヨークでいくつもの高級レストランをオープンさせてきた経営者、ダニー・メイヤー氏が、2001年にマディソンスクエア・パーク内に開いたホットドッグの屋台がシェイク・シャックの始まり。厳選したこだわり食材や健康志向のメニューが受け、たちまち出店数を拡大。米国内だけで100店の大台が見えてきた。

 日本でも東京・明治神宮外苑の1号店を皮切りに、恵比寿、丸の内、新宿、みなとみらい(横浜)、六本木と計6店を展開。今年も2月に東京ドーム店と玉川高島屋S・C店の開業を予定している。各店とも平日・休日にかかわらず食事時の行列は必至で、注文して商品を受け取り、席を確保するまでに30~40分以上かかることもざらだ。

 シェイク・シャックの人気が衰えない理由は、前述したように食材の安全・安心をうたい、健康に配慮している点にある。フードコンサルタントでバーガー研究家の肩書きも持つ白根智彦氏がいう。

「ホルモン剤を一切使用していないアンガスビーフ100%のパティ(ハンバーグ)や、ベジタリアン向けにパティの代わりにチーズを挟んだマッシュルームを揚げたシュルームバーガー、デザートのアイスでもコーンシロップなどの糖分は使用していないなど、健康志向メニューを多く揃えているのが、支持を集める大きな要因です。

 職人が店内できちんと作り上げている1個1000円以上するプレミアムバーガーとは違いますが、定番のシャックバーガー(シングル)でも税抜き680円するので、決して安い価格ではありません。リッチなファストフードといった域です。

 ただ、レタスやトマト、オニオンなど野菜の増量が無料なので、こうしたサービスも加味しているからこそ実現できる価格帯といえます」

 ドリンク類へのこだわりも同様だ。有機りんごジュースやオリジナルビールのシャックマイスターエール、有機ワインもカリフォルニア州のワイナリーがシェイク・シャック専用にボトリングしたオリジナルだ。

 そして、前出の白根氏が「目のつけどころがいい」と指摘するのが、日本市場に合わせたコラボメニューの展開である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン