「日本上陸1周年の時には、ミシュラン1つ星の日本料理店『傳(神保町)』とのコラボでデンシャックという高級バーガーを出したり、2周年記念ではラーメン店『鬼金棒(きかんぼう)』と一緒にカラシビバーガーを開発したりしました。
これら商品は決してメインストリームではありませんが、グルメバーガーというカテゴリーを広めるためのきっかけにはなります。インスタ映えを意識した集客効果も見込めますしね。シェイク・シャックのこうした戦略は奥が深く、今後も見逃せません」
だが、高品質や健康、ハイエンドな企画商品などを売りにしたハンバーガーの高級化はすでに既存のチェーン店でも見られ、“グルメバーガー戦争”は一層熾烈になると見られる。
「期間限定とはいえ、フレッシュネスバーガーがトリュフを使ったチーズバーガーを出したり、ロッテリアが肉の日企画として2000円もする松坂牛ハンバーガーを開発するなど、高価格化の傾向は今後も続くと思います。六本木などでは高級ステーキ店のメニューにハンバーガーを取り入れる時代。価値のあるバーガーを高く売る施策は各チェーンで増えてくると思います。
また、フレッシュネスで低糖質のバンズ(パン)を導入したり、ファーストキッチン・ウエンディーズでは究極の糖質制限メニューとして、バンズを使わず具材を肉で挟み込んだ豪快なワイルド・ロックが登場したりと、ガッツリとしたハンバーガーながらも健康に気を遣ったメニューの開発もますます行われていくでしょう」(白根氏)
かつてのファストフード全盛期とは様相が違う今のハンバーガー業界。いくら高級化が進んでも、本当に価値のある商品を消費者の満足度につなげられなければ売り上げ維持は難しいだろう。