「メロ」とはもちろんメロンを指す。実際、福羽の園芸学はいちご以外にも多岐に渡っており、ブドウ、メロン、オリーブ、柑橘類のほか、街路樹のプラタナスやユリノキ、庭園樹のタイサンボクなどは福羽の指導により、新宿御苑で導入・改良されたものだったという。
福羽いちごは1898年の作出以降、静岡県久能山東照宮のふもどなどで「石垣いちご」として1960年台まで長く主力として栽培されてきた国産いちごの祖でもある。
現在、圧倒的なシェアを誇る「とちおとめ」をはじめ、人気ブランドの「あまおう」など、品種や産地によっていちごには多種多様な味わいがある。それらすべてのルーツは新宿御苑にあった。国産いちご第一号誕生から今年でちょうど120年。今年も「いちごの日」がやってくる。