「南米やアフリカ、アジアの優秀な選手たちがヨーロッパのクラブに集まるようになり、彼らが最新の戦術を代表チームに持ち帰るなどして、各国の力が均衡するようになった。日本代表でも長友佑都(インテル、31)、香川真司(ドルトムント、28)、長谷部誠(フランクフルト、34)ら海外組がスタメンの半数以上となるのが当たり前になりました。W杯の大一番では、高いレベルで試合経験を重ねたことの意味が、より大きくなります」
ハリル監督は昨年11月の欧州遠征で香川、本田圭佑(パチューカ、31)、岡崎慎司(レスター、31)らを代表から外したが、賀川氏はそうした海外経験豊富な選手の役割が本大会では大きくなるとみているのだ。
「一方、世界中の有力選手がヨーロッパに集まったことで、飛び抜けたスター選手を大会前から徹底的に研究して対策を練ることも可能になりました。メッシ(バルセロナ、30)、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード、32)といったバロンドールを何度も受賞している選手が、W杯で優勝できてないのは決して偶然ではないはずです」
だからこそ、グループリーグで対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドというFIFAランキングでは格上の相手にも、研究と対策次第で勝機はあると賀川氏はみる。
※週刊ポスト2018年1月26日号