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行司の名前が「木村××」「式守××」ばかりの理由

行司の世界も厳しい序列が(時事通信フォト)

 立行司・式守伊之助(58)のセクハラ問題でにわかに脚光を浴びた大相撲の審判役である“行司”。あまり知られていない彼らの上下関係は「力士以上に厳しい」という。元行司が言う。

「しきたりは“兄弟子”から教えてもらうしかないので、従うしかない。力士同様、行司も1日でも早く入門した者が兄弟子で、年齢は関係ない。その後の出世は判定の正確さや土俵態度などの評価とされていますが、実態は入門順(勤続年数)の年功序列です」

 昇格・降格は原則年1回で、9月場所後の番付編成会議で審判部が判断し、理事会が決定する。よほどの失態がない限り、入門順に昇格するという。

「つまり、力士のように出世の過程で兄弟子を追い抜くことはない。十両格以上を裁けるのは22人までと決まっているので、上が詰まれば昇格も止まる(行司の定年は満65歳)。

 兄弟子の付け人になれば、お茶汲みから身支度までやりますから、酒癖が悪かったりすると最悪。今回、立行司が入門したばかりの10代の行司に酔ってセクハラするという、非常識極まりない問題が起きましたが、背景には“絶対的な上下関係”があったと考えるべきでしょう」(ベテラン記者)

 行司の名前が「木村××」と「式守××」ばかりなのも、立行司を頂点とする序列が背景にある。

「江戸時代には全国に各流派の行司家があったが、現在まで残ったのが木村家と式守家だとされています。どちらの姓を名乗るかは入門した部屋次第。木村家が式守家の上位という序列でしたが、明治末期に両家の交流が始まった。現在では三役格から立行司に昇格した行司がまず『式守伊之助』を襲名し、その後、先代の『木村庄之助』が引退して空位となった時に、木村庄之助の名前を継ぐ形が定着しています」(担当記者)

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