キリンビールの布施孝之社長
一方、ビールシェアで2番手のキリンビール。前述したようにクラフトビールでは競合他社よりも先を走ってきた。
実際、コンビニ向けの「グランドキリン」、自社で小規模醸造設備も持つ、別会社のスプリングバレーブルワリー、さらに「よなよなエール」で知られる、長野県・軽井沢町にあるヤッホーブルーイングには33.4%を出資、そして昨年は、米国の大手クラフトビールメーカー、ブルックリン社と資本業務提携してブルックリン・ジャパンも設立するなど、いずれ日本もクラフトビールの時代が来ると読んで積極投資をしてきている。
「クラフトビール市場は年々拡大し、2021年には2016年比で約3倍に成長する見込みです。4月からの定義変更で、クラフトの魅力を広げるチャンスが到来しました。当社でも、(アサヒと同じ)4月にはユニークな原材料を使って、クラフトブランドから新たなビールの提案ができるよう、いま準備しているところ。
いずれにしろ、ナショナルブランドでドーンと出すというより、定義変更対応商品はクラフト中心になるかと思います。同業他社もやるでしょうから、業界全体で盛り上げていけばいいかなと」(前出の布施氏)