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香港「雨傘革命」指導者らがノーベル賞候補 中国は猛反発

中国の圧力は止む気配なし

 米共和党のマルコ・ルビオ上院議員ら超党派の米議員団が、2014年に香港で起きた民主化運動「雨傘革命(アンブレラ・レボリューション)」の発起人で、民主化運動指導者の黄之鋒(ジョシュア・ウォン=20歳)、羅冠聰(ネイサン・ロー=同24歳)、周永康(アレックス・チョウ=27歳)の3氏を今年のノーベル平和賞の候補者として推薦したことが明らかになった。

 ノーベル賞候補になったことについて、黄氏は「全く恐れ多いことだ。今後も活動を続けていきたい」などと感謝のコメントを発表したが、香港の民主化運動を警戒している中国外務省スポークスマンは「彼らの行為は徹頭徹尾、違法行為であり、犯罪だ。ノーベル平和賞候補の資格はないのは明らかだ」と激しく批判している。

 ルビオ氏は黄氏らを平和賞候補に推薦した理由について、声明で「(黄氏らの)推薦をするのに、長年大切にされてきた香港の自治が脅かされ続けている今ほど適切な時期はない」と強調。そのうえで、香港には日増しに中国政府からの圧力が強まっており、香港の法的独立を意味する「1国2制度」に反しているなどと指摘し、中国当局を批判している。

 これに対して、中国政府から支持を受けている香港特別行政区政府の最高指導者、林鄭月娥・行政長官は「香港は中国の一部であり、一部の米議員らは中国の内政に干渉するのは直ちにやめるべきだ。彼らはノーベル平和賞を利用して、香港を混乱に陥れようとしている。誠に遺憾だ」などと批判した。

 また、欧米メディアの多くは黄氏ら民主化運動指導者を支持している。ニューヨーク・タイムズはノーベル委員会に対し、ノーベル平和賞を黄氏らに授与するよう呼びかけるとともに、「黄氏らは無罪であり、中国政府に操られている司法制度が彼らを不当に罰した」と主張。

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