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明治の高層タワー・凌雲閣 「芸者100人人気投票」で大盛況

上野でも競馬が行われた(「上野不忍池競馬ノ図」 写真/AFLO)

 明治維新150年にあたる今年、各所ではそれにちなんだイベントが行われているが、当時の人々はどんな生活を送っていたのか? 「娯楽」をキーワードに、当時の生活を振り返ってみよう。

●高層眺望
 明治23(1890)年、東京・浅草に12階建て、高さ約52mの高層建築物「凌雲閣」が完成。10階まで煉瓦造り、11~12階は木造という“明治の高層タワー”は「浅草十二階」の名でも親しまれた。10~12階に設けた眺望室からは房総半島も見渡せたとされる。

 開業初日は6000人が詰めかけた。凌雲閣には日本初のエレベーターも設置されたが故障が多く、翌年には使用中止に。「そこで考えられたのが、芸者100人の写真を階段に展示して人気投票をする『百美人』。日本初の美人コンテストです。階段を昇りながら楽しめる企画は大当たりしました」(『おもしろ文明開化百一話』(ユニプラン)の著者・鳥越一朗氏)。1位の芸者の身請け競争が起こったと新聞が報じた。

●動物園
 明治15(1882)年、東京・上野公園内に、日本初の博物館の付属施設として上野動物園がオープンした。「開園当初は日本に生息する動物が中心。猛獣といえばクマぐらい。人気を博したというほどではなかったようです」(鳥越氏)。

 ところが、明治19(1886)年にイタリアの曲馬団から、東京・神田で興行中に生まれた子トラ2頭をヒグマ2頭と交換で入手。翌年、公開すると、“神田っ子トラ”の愛称で一躍人気者に。明治21(1888)年にはタイから贈られたアジアゾウのペアが公開され、年間入園者数は35万人に増えた。

 明治40(1907)年、上野動物園は日本で初めてキリン2頭を公開し、年間入園者数が100万人を突破。その人気は宮中にも伝わり、2頭は大八車で運ばれて天覧に供された。

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