●競馬
 日本人が近代競馬を初めて開催したのは、明治3(1870)年に東京・九段の招魂社(現・靖国神社)で兵部省が主催したレースとされる。当時はギャンブル性はなく、紳士淑女が集う場だったという。『明治もののはじまり事典』(柏書房)の著者・湯本豪一氏がいう。

「明治13(1880)年、東京・三田育種場で開かれた競馬で番号を記した切手を売り、その番号に当たれば数倍の利益を得られる方法が新設されたと『東京曙新聞』が報じました。これが後の馬券につながっていったと思われます」
 
 日本人が開催する競馬で初めて馬券が発売されたのは、明治39(1906)年だった。明治17(1884)年には、上野不忍池河畔に一大競馬場が造られ、開場式には天皇も臨幸した。

※週刊ポスト2018年3月2日号

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