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花粉症治療のステロイド注射に糖尿病や十二指腸潰瘍の副作用

代官山パークサイドクリニックの岡宮裕院長

 日本人の4人に1人が苦しむ花粉症の季節がやってきた。近年はさまざまな治療法が確立しているが、良かれと思って受けた治療に、思わぬ副作用やリスクが潜んでいることがある。

 1960年代から花粉症において劇的効果を謳い、多くの患者に親しまれてきた“実績”ある「ステロイド注射」にも、副作用があるという。しかも、その副作用は多岐にわたり、中には寿命を縮める危険な症状に陥るものも潜んでいる。多くの花粉症患者が訪れる代官山パークサイドクリニックの岡宮裕院長がいう。

「ステロイド注射は非常に強い免疫抑制作用があり、注射した部位からステロイド剤がゆっくり体全体へ周り、1~2か月も作用し続けるので花粉症の症状が長期間抑えられます。

 その反面、副作用として感染症、副腎機能低下、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、血圧や血糖値が上昇し、最悪の場合は糖尿病誘発など、さまざまな症状を引き起こす。一度注射を打てばステロイド剤が体から抜けるまで副作用が続く可能性があります」

 副作用について販売元のブリストル・マイヤーズスクイプはこう説明する。

「花粉症シーズン前に副作用の内容について改めて医師に伝え、注意喚起に努めています」(広報担当者)

 薬には副作用が付き物であり、患者側も正しくリスクを理解して治療を受けることが肝要なのである。前出の岡宮氏が言う。

「初診から効果だけを強調し、安易にこうした治療法を勧める医師は注意が必要です。副作用の説明を尽くし、万が一のアフターフォローにまで言及して、初めて“治療”と言えるのです」

 花粉症が良くなっても、他の病気になっては意味がない。

※週刊ポスト2018年3月2日号

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