「集荷業者さんなどから聞いても、『今年の米が美味しくない』といったクレームは一切入っていないので困惑しています。
何が理由でAに落ちたのかは公表されていないのですが、ランクダウンしたことは事実。どこの米を検定したのかも分かりませんので、どの米をサンプリングして取られてもいいように、地域全体で『いい米を作ろう』ということで検討会を立ち上げ、対策を講じている。危機感を持って、いい意味での引き締めをしていきたいです」
ランクダウンには新潟県の米山隆一知事も困惑している。定例会見で「理由が不透明。明かせるところは明かすように要請したい」と苛立ちを隠せなかった。
米業界に衝撃を与えた「食味ランキング」はいったい誰が判断しているのだろうか。選定を行なう日本穀物検定協会は農産物検査や輸入雑穀類検定などを手掛ける一般財団法人で、1971年から米の食味試験を行ない、その結果を「食味ランキング」として発表してきた。食味試験の対象となるには、道府県の奨励品種であること、作付け面積が一定の基準を満たすなどの条件がある。
「実際に食味試験を行なうのは、協会が選抜訓練した専門の評価員『食味評価エキスパートパネル』20名です。いずれも嗅覚試験や味覚試験などの試験をクリアしたうえで、トレーニングを重ねています。多くは協会の職員ですが、外部の方も入っています」(日本穀物検定協会業務部)
◆評価員の“ガチンコ判定”
評価するのは白飯の『外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価』の6項目。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米とし、それぞれの項目について「基準と同じ」は「0」、良・不良の度合いによって3段階に区分して、「±1」「±2」、「±3」として評価値を決める。