そして、その総合評価結果に基づいて「基準米よりも特に良好なもの」を「特A」、良好なものを「A」、おおむね同等のものを「A´」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B´」にランク付けするという。
「エキスパートパネルは、産地や品種の情報を知らないまま評価しています。隣の人とはパネルで区切られ、評価員同士が相談することもありません」(日本穀物検定協会業務部)
そう“ガチンコ判定”であることを強調するが、「五つ星お米マイスター」の資格を持つ小池理雄氏は「ランクが高い=旨い米とは一概に言えない」と指摘する。
「魚沼産といっても、魚沼は広いですし、田んぼや生産者によって味は変わります。今回、魚沼産コシヒカリがAに落ちたのは、たまたま今年度、そういうお米が検査に回された可能性がある。そもそもランキングは、お米の品質向上を目指して生産者を鼓舞するためのもので、消費者が選ぶための基準ではないのです」
では、自分にとっての「美味しいお米」を選ぶにはどうすればいいのか。
「特Aのお米は粘り、甘みなどが強いですが、あっさりした味が好みの人にとっては『特AからAに落ちた今年の米のほうが粘りがちょうど良い』という人もいる。
ランク付けはあくまで参考にとどめ、自分好みの甘みや粘りの米を見つけると良いと思います」(五つ星お米マイスターの西島豊造氏)
第三者の評価より自分の舌にとって「特A」のお米を選ぶのが「旨い米」に巡り合う近道なのだ。
※週刊ポスト2018年4月6日号