また長篠の戦に臨んだ織田信長は三〇〇〇丁もの鉄砲を用意していた。全発命中せずとも、その発射音は馬を驚かすに十分であったはず。武田騎馬軍団は前進も退却もままならない大混乱に陥り、かっこうの標的とされたのではなかろうか。
※島崎晋・著『ざんねんな日本史』(小学館新書)より一部抜粋
【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。著書に『日本の十大合戦 歴史を変えた名将の「戦略」』(青春新書)、『一気に同時読み!世界史までわかる日本史』(SB新書)、『知られざる江戸時代中期200年の秘密』(じっぴコンパクト新書)など多数。