稼ぐイケメンハイスペと結婚し、セキュリティばっちりの超高級マンションに引っ越したモエミであったがその中身は想像とは違った。
モエミは、欲しいものは自分の貯金から買い、むしろ結婚前より切羽詰まっている感覚である。
モエミの実家には3匹のプードルがいた。一度、コウキに犬を飼いたいと要望を言ってみたが、余計なお金がかかると却下された。
コウキは今も自分の時計や車、スーツや靴には出費を惜しまなかった。要するに、結婚前から「自分にはお金をかけるけど、女性にはお金をかけない」人だったのだ。生活費を増やして欲しいといっても、「香港やシンガポールでは住み込みメイドが衣食住つきで月10万円ほどだから、モエミもそれで十分できるでしょ」と言った。
モエミはメイド代わりと言わんばかりである。モエミは「私、何も買えないよ。港区女子からワーキングプアー妻になっちゃった」と自嘲気味に語っていた。港区女子は、ハイスペック男子の中にも「自分だけかわいいオトコ」がいることを忘れてはならない。