国内

小6いじめ自殺 加害児童の進学先に地元保護者が情報交換

加害児童の進学先について親たちが情報交換(写真はイメージ)

 4月9日、ある中学校の入学式では、真新しい制服に袖を通した新入生の喜びの声が上がっていた。桜はもう散っているが、新緑の木々を前に、親子で記念撮影をする姿がまぶしい。少し離れた別の中学校でも同じように笑顔あふれる光景が見られていた。しかし──。

「保護者のかたたちは“彼女”たちがこの中学にいるのか、いないのかを気にしていました。私も名簿や読み上げられる名前を真剣に聞いてしまいました。もし娘と同じクラスになったらどうしようかと…。姿は見えませんでしたが、入学式だけかもしれませんし」(出席した保護者の1人)

 その中学校に入学するはずだったAさんは4か月半前に自ら命を絶った。そしてAさんの同級生BさんとCさんの姿もそこにはなかった。

 埼玉県鶴ヶ島市で昨年11月、小学6年生の女児Aさん(当時11才)が、自宅2階から飛び降りて自殺した。Aさんは一人っ子。両親と3人暮らしで、4年生の2月にこの小学校に転校してきた。同じ県内に住むAさんの祖母が振り返る。

「明るくて活発で運動神経がよく、自転車を買ってあげたらその日のうちに乗れるようになる子で、リレーの選手や習字のクラス代表としても頑張っていました。家族の仲もよく、去年の夏は私と娘と孫の3人で新潟の花火大会に出かけて、“来年も来ようね”と話していたんですよ…」

 一輪車が得意でおばあちゃん子だったというAさんだが、5年生の秋から「悪口を言う」「ばい菌扱いする」「避ける」などクラスメートからのいじめが始まったという。6年生のクラス替えで、いじめは鎮静化したかに見えたが、「悪口」や「避ける」という行為は続いていた。Aさんもひとりで過ごすことが多かったという。

 6年生の2学期になると、AさんはクラスメートのBさん、Cさんと一緒に過ごすことが多くなる。

◆金銭の強要もあった

「AちゃんはBさんとCさんからいじめられていたようです。自殺直前にも2人とのLINEのやりとりがあったようで…。自殺後すぐにBさんとCさんの名前をはじめ、3人の関係を疑問視する声が上がり始めました」(小学校関係者)

 学校は自殺直後に「Aへのいじめはなかった」としていたが、児童への数回にわたるアンケートにより徐々に事実が明るみに。3月27日、「鶴ヶ島市いじめ問題調査審議会」は「女児に対するいじめがあり、死亡との関連性が認められる」という衝撃の報告書を公表した。

 報告書によるとAさん、Bさん、Cさんの3人は休み時間に話したり、放課後も一緒にいるなど教員からは“友達ができた”と思われていたが、実際は、Aさんに対して悪口を言ったり、鬼ごっこでAさんばかり鬼にするという関係だった。

 金銭の強要もあった。誕生日名目で筆箱と定規を買わせ、プリクラの代金や飲食物、雑誌、CD代をAさんに支払わせていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)
【「味噌汁にネズミの死骸」で新展開】すき家がネズミ混入を認めて謝罪「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠った」 約2ヶ月にわたり非公表 昨年には大手製パン会社で混入の事例も
NEWSポストセブン
水原の収監後の生活はどうなるのか(AFLO、右は収監予定のターミナル・アイランド連邦矯正施設のHPより)
《水原一平被告の収監まで秒読み》移送予定刑務所は「深刻な老朽化」、セキュリティレベルは“下から2番目”「人種ごとにボスがいて…」 “良い子”にしていれば刑期短縮も
NEWSポストセブン
性被害により、バングラデシュの少女が8歳という幼さで亡くなった(地元メディアのFacebookより)
《バングラデシュ・少女殺害事件》「猿ぐつわをつけられ強制的に…」「義父の犯行を家族ぐるみで手助けした」 “性被害隠蔽殺人”も相次ぐ
NEWSポストセブン
眞子さんの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室眞子さんの“ゆったりすぎるコート”に「マタニティコーデ」を指摘する声も…皇室ジャーナリスト「ご懐妊でも公表しない可能性」
NEWSポストセブン
原宿駅を降りてすぐに見える「竹下通り」(時事通信フォト)
《潜入レポート》原宿・竹下通りの偽ブランド品販売店にキャッチ男性に誘われ入店 「売っているのは本物?偽物でしょう」と聞くと…キャッチ男性がとった行動
NEWSポストセブン
放送100年という記念の日に各局では、さまざまなジャンルの特番が放送される(写真/PIXTA)
《各局の現在地が鮮明に》“放送100年”の日に見えたフジテレビの危機 ブレないテレ東、“実より名を取る”テレ朝 
NEWSポストセブン
3月1日に亡くなったフリーアナウンサーのみのもんたさん
《みのもんたさんは焼き肉で…》“誤飲”の恐ろしさ「窒息事故発生件数が多い食品」と「事故が起きた場合に重症となる割合が高い食品」、まったく異なるそれぞれのトップ3
女性セブン
サインと写真撮影に応じ“神対応”のロバーツ監督
ドジャース・ロバーツ監督が訪れた六本木・超高級和食店での“神対応” 全員のサインと写真撮影に応じ、間違えてファンの車に乗ってしまう一幕も
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”女子ゴルフ選手を待ち受ける「罰金地獄」…「4人目」への波及も噂され周囲がハラハラ
週刊ポスト
大村崑さん、桂文枝師匠
春場所の溜席に合計268歳の好角家レジェンド集結!93歳・大村崑さんは「相撲中継のカット割りはわかっているので、映るタイミングで背筋を伸ばしてカメラ目線です」と語る
NEWSポストセブン
大谷翔平の第一号に米メディアが“疑惑の目”(時事通信、右はホームランボールをゲットした少年)
「普通にホームランだと思った」大谷翔平“疑惑の第1号”で記念ボールゲットの親子が語った「ビデオ判定時のスタンドの雰囲気」
NEWSポストセブン
水原一平(左、Aflo)と「親友」デビッド・フレッチャー(右、時事通信)
《大谷翔平のチームメイトに誘われて…》水原一平・元通訳が“ギャンブルに堕ちた瞬間”、エンゼルス時代の親友がアップした「チャリティー・ポーカー」投稿
NEWSポストセブン