『大相撲の経済学』の著書があり、2011年に日本相撲協会の公益財団法人化に向けた改革案を答申した「ガバナンスの整備に関する独立委員会」で副座長を務めた慶応大学の中島隆信教授はこういう。
「改めて今、相撲協会は組織としての在り方を見直す必要があるのではないか。今のままでは、理事会と評議員会の役割分担もよくわからないし、各部屋の運営が適正かをチェックする役割を担うのが理事会だとすれば、部屋持ちの親方が理事を兼任していて機能するはずがない。
公益財団法人になるにあたって、私たちがまとめた答申には、『師匠と協会理事の兼任禁止』の項目も入っていた。それを実現しないまま、ここまで続けてきてしまい、暴力事件や貴乃花親方の騒動、そして今回の巡業での問題などが次々と噴出している。今こそ、抜本的に組織を見直す時でしょう」
事ここに至って自浄作用がはたらかないなら、公益法人を名乗る資格などない。
※週刊ポスト2018年4月27日号