「幕下までは1日でも先に入門した者が兄弟子で先輩・後輩関係は絶対だが、仮に弟弟子が十両に昇進すると立場が“逆転”する。十両以上は付け人をあてがわれ、付け人は関取の入浴の世話やマッサージ、化粧廻しのつけ外しなどの世話をしなくてはならない。春場所で新十両・貴公俊が付け人を殴る騒動を起こしたが、付け人のほうが兄弟子です」(元力士)
そうした人間関係の“ねじれ”は協会内の対立構図にも影を落とす。3月末の年寄総会などで“貴乃花追及”の急先鋒となった高田川親方(元関脇・安芸乃島)は、もともとは貴乃花親方と同じ部屋の兄弟子だ。
「現役時代の実績は弟弟子の貴乃花親方が圧倒的に上。しかも、引退後の年寄株取得や弟子育成を巡る対立もあって、完全に袂を分かってしまった。協会も、その犬猿の仲を体制強化に利用するつもりなのか、貴乃花親方をヒラの『年寄』に降格させるのと同時に、高田川親方を『役員待遇』に出世させている」(協会関係者)
※週刊ポスト2018年5月4・11日号