国際情報

今度は「水かけ姫」!“問題令嬢”を輩出する韓国財閥の病理

“ナッツ姫”は特別なケースではなかった(共同通信社)

 韓国で大騒動に発展した、大韓航空の「水かけ事件」。会議中に激怒し従業員の顔にコップの水をかけた件について暴行の疑いで取り調べを受けた“水かけ姫”ことチョ・ヒョンミン専務は、2014年に「ナッツ・リターン事件」を起こしたチョ・ヒョンア氏の妹だ。ニューヨーク発ソウル行の大韓航空機内で、当時同社の副社長だったチョ・ヒョンア氏が、ナッツの提供方法について乗務員にクレームを付け、離陸直前の旅客機を引き返させた事件である。

 韓国財閥の“お嬢様”が起こした事件はまだ他にもある。韓国事情に詳しいノンフィクションライターの高月靖氏がこう語る。

「ネクセンタイヤのオーナーであるカン・ビョンジュン会長の次女は2011年1月に夫の浮気調査費用1500万ウォン(約152万円)を踏み倒し、訴訟になった。2013年にはヒュンダイグループ・現代企業金融のチョン・モンイル会長の娘が大麻吸引で逮捕されています」

 名門令嬢たちのお粗末な事件が頻発する背景には韓国特有の事情があるようだ。元時事通信ソウル特派員で評論家の室谷克実氏がいう。

「韓国とは“大金持ちイコール偉い人”と認識される社会。財閥一家、特に二世、三世にはその傾向が強い。子供の頃から様々な特権に守られ、周囲の人々を使用人のように扱っても注意すらされない風土が社会常識を大きく逸脱した、モンスターを生んでしまう。特に財閥の娘は海外の大学を卒業するなど周囲の女性よりも高学歴であることが多いため、自分が特別だという意識を強く持ってしまうようだ」

 とはいえ、航空機の運航を妨害したナッツ・リターンはともかく、この程度の事件が警察沙汰になるのは少々行き過ぎな気もする。

「左派政権である文在寅大統領の下では、国民からの反感が強い財閥への風当たりが厳しくなっている。これぐらいのことで警察が動くのは、政権の人気取りの側面は否定できません。今後も新たな財閥子息が目を付けられるかもしれない」(同前)

 いやはや苛烈なお国柄である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン