中国で4月中旬、午前8時40分に湖南省長沙発北京行きの中国国際航空1350便の機内で、ハイジャック犯の男が女性客室乗務員を羽交い絞めにして身柄を拘束するなどして人質となった。同機は機長の判断で午前10時ごろ、河南省鄭州市の国際空港に緊急着陸。ハイジャック犯が凶器として使ったのは、なんと万年筆だった。中国国営新華社通信が報じた。
中国では1990年代にハイジャックが多発したものの、その後はハイジャック事件はほとんど起きていない。これはナイフやハサミ、あるいは飲料水に見せかけたペットボトル入りの石油などの可燃物といった凶器として使えるものの機内持ち込みを禁止し、乗客の手荷物検査など厳重に行っているからだ。
しかし、今回の事件で万年筆が凶器として使われたことについて、インターネット上では「これからは先がとがったものは、万年筆やボールペンなど機内持ち込みが禁止されるかもしれない」などとのコメントが書き込まれている。
このハイジャック事件について、乗客の1人は中国紙に「機内前方で女性の悲鳴が聞こえ、飛行機が下降を始めた」と語っており、インターネットには、ハイジャック犯とみられる男が機内で客室乗務員を羽交い締めにしているような写真が掲載された。
1350便が緊急着陸した鄭州国際空港では警官隊が同便の回りを包囲し、空港も封鎖するなど緊急警戒態勢を敷いた。それと同時に、乗員・乗客も機外に脱出させ、警察隊が機内に入りハイジャック犯の説得を開始した。