ま、ほぼすべてのケースはNOの表明ですけど、日々の長距離通勤の満員電車で逆境には慣れている埼玉おじさんは、そんなことで凹んだりはしません。人生のいたるところで妥協してきた経験もあるので、すべてを前向きに解釈するのも得意です。「素敵な女性といっしょに飲めただけで十分」「男としての経験値が上がった」ぐらいに思って余韻に浸れば、いつもの埼京線や東武東上線がバラ色の空間になってくれるでしょう。
港区おじさんにはけっして真似できないのが、埼玉おじさんのストライクゾーンの広さ。港区女子的なキラキラ感や輝く若さなんて必要ありません。いろんなタイプ、いろんな年代の多くの女性に、魅力やときめきを感じて存分に妄想を抱くことができます。男としてどちらが本当の意味での勝ち組か、もはや比べるまでもないでしょう。
万々が一、港区女子っぽい女子と縁があったとしても、グルメサイトのクーポン券を使ったら引かれそうな相手となんて、いっしょに飲み食いしたくありません。その点、埼玉おじさんにやさしくしてくれるような女性は、そんな堅実な部分に感心してくれるはず。「この人なら、私のことも大切にしてくれそう」とも思ってくれそうです。
女性にアプローチするときには、渋い口調で「ぼくは港区おじさんにはなれないけど、○○(自分の居住地)おじさんとして、せいいっぱい頑張るよ」と言ってみましょう。無駄に背伸びをしようとしないところに、身の程を知っている賢明さや、あるいは大人の潔さや深い自信を感じ取ってくれる……かもしれません。
勝手に決めつけていろいろ書いてますけど、巧みに勝負を避けつつの自己肯定こそがおっさんの得意技であり、強く生きていくための秘訣です。生き方もすがりつく幻想も人それぞれ。港区おじさんも埼玉おじさんも、お互いにがんばりましょう!