医師の残業を減らすための方策として挙げられているのが「複数主治医制」だ。複数の医師でチーム医療体制を敷いて患者を診る方式で、シフトの時間を短くするなどして休みを取りやすくする。これを導入した病院では“主治医がコロコロ替わる”状態になる。東北地方の公立病院に勤務する現役医師は、複数主治医制についてこう語る。
「治療効果には、医療的な技術だけでなく、医師との相性や医師への信頼感といったものも影響を与えるので、担当医師の数が多くなるほど難しい面が出てくる。医師は患者の不安感に対するケアを増やす必要があり、結局、労力が増える。あるいは適切な治療効果が出にくいということになりかねない」
複数の主治医のなかに、自分に合う医師がいたとしても、その医師が週3日しか勤務していなければ、それに合わせるしかない。
※週刊ポスト2018年5月25日号