前出の小学校教師はいう。
「正直、ヤンチャな男子生徒に『さん』は変だな、と思いますが、万が一親から『女性だけに付けるのは性差別だ』といったクレームが来たら、と考えると男女とも『さん』に統一したほうがいいとなる。批判されないようにするにはこれしかない、ということなのです」
文部科学省の見解はこうだ。
「あだ名を禁止したり“さん付け”をさせることが定められているわけではありません。全国に1700以上ある自治体の約85%が『いじめ防止対策推進法』に基づいた方針を制定済みですが、実際の運用については各自治体および学校に任せています」(初等中等教育局)
いじめ対策やジェンダー教育は重要だろうし、呼び名の変化は時代の流れなのかもしれない。だが、「ジャイアン」と「のび太」が「剛田さん」「野比さん」と呼び合うようになったら、あまりに味気ないのでは。
※週刊ポスト2018年5月25日号