◆全国の刑務所で入社面接
求人情報を載せた企業の本音はどうか。1日2000円の部屋代で個室が利用できる社員寮など、福利厚生の充実ぶりをアピールする拓実建設(東京都)の柿島拓也社長はこういう。
「社会での生活に慣れず、採用後1~2日で逃げてしまうこともあります。うちにいるメンバーも最初は苦労していますが、仕事にやりがいを感じてくれば、人並み以上に頑張ってくれる面もあります」
柿島社長は、そんな“原石”となる働き手を見つけるため、全国を飛び回っている。
「採用面接のために、全国どこの刑務所でも行きます。受刑者というのは、書類だけではわからないクセがある。仕事のやる気を見抜くのは難しいけど、しっかり目を見て話し、言うことが本当か嘘かを確かめたいんです」
2016年には再犯防止推進法が整備された。受刑中から就職活動を始めさせ、採用企業には助成金が出るなどのプロジェクトがスタートしている。あとは本人の意欲次第、ということか。
※週刊ポスト2018年5月25日号