芸能

ドラマで刑事役ナイツ塙の演技から目が離せないワケ

役者として注目のナイツ塙

 放送中の連続ドラマ『警視庁・捜査一課長season3』(テレビ朝日系)に出演中のナイツ塙宣之(40)の演技が注目を集めている。一部では「大根」なんていわれているが、回を重ねるごとにハマる視聴者が増加中だとか。その演技について、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 お笑い芸人がシリアスなドラマに出ることは、いまや当たり前のようになっているが、まさかこの人が刑事ドラマにレギュラー出演するとは思わなかった。ナイツの塙宣之。『警視庁捜査一課長 season3』の奥野刑事役で奮闘中だ。

 といっても、奥野刑事の仕事内容は犯人を追跡するわけでも、鑑識とにらみあうわけでもない。肩書は「警視庁一課長付運転担当刑事」。つまりは主人公の捜査一課長大岩(内藤剛志)の公用車の運転担当なのである。
 
 事件が起きると、警視庁の廊下を課長と並んで小走りし、公用車のドアをささっとあけて出発進行。現場到着すれば、またさっとドアをオープン。これで任務完了?と思ったら、被害者の状況を課長とともに確認し、しばしばナイスな発見をするのである。
 
 その発見は、例えば被害者が乗せられていたキャスター椅子の裏に「廃棄物ゴミシールが」とか、「シャツに武蔵野うどんのシミが」などととっても細かい。別の事件では被害者が持っていた丸い小さな布を「ヨーヨーキルトですね」ときっぱり。実は奥野刑事は妻亡きあと、子育てのために事務職に移り、10年ぶりに現場に戻ってきたのである。そのためか、職場では「女子力が高い」と言われ、打ち合わせではかわいいエプロンをつけて、課長たちに差し出すカップには、見事なコーヒーアートのにゃんこがこんにちは。すごいね、奥野刑事…。

 10年ぶりの現場復帰ということで、奥野が大岩からつけられたニックネームは「ブランク」。テレビ朝日系のおじさん刑事でニックネームがつくのは、とても珍しい。しかも、いつも唐突に現れる刑事部長笹川(本田博太郎)からは、突然「君のことはスキップと呼ぶことにする」などと言われ、困惑。「ぼくにはブランクという名が…」と小さな声で反論したりして。ニックネームを自ら言う刑事もとっても珍しい。事件とはまったく関係のない笹川×奥野のシーンは、ほとんど漫才だ。

 奥野刑事は「新陳代謝レベルだと3か月たつと別人レベルで変わっている」と関係者の外見の変化について分析したり、「ピンクを好む男性は世話好きが多い。私もです」と自分のピンク柄のネクタイを示したりと、うんちくトークも得意技。ナイツ塙といえば、Yahoo!を「ヤホー」、Googleを「ゴーグル」などと言い間違えるネタで知られる。そのため、いつか奥野刑事も何かボケを言い出すのではと、塙出演場面から目が離せない視聴者は多いはず。その意味では、番組に大いに貢献しているといえる。

 塙は木曜日は8時からこのドラマ、9時からはBS朝日『お笑い演芸館+』で務める司会ですっかり「木曜日の男」だが、刑事でも漫才でも衣装はほぼ同じというのもすごい。さらに、これまで塙が何歳なのか考えたこともなかったが、今年40歳。平均年齢高めのテレビ朝日の刑事ドラマの中では、(ちなみに『相棒』の反町隆史は44歳)は、まだまだ若手だ。エプロンしたまま追跡し、見事は人逮捕!!なんて瞬間が、いつか、くるかも。走れ、塙デカ!

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン