父と母の教えが終活へと導いた
【7】父
池波の父は、落語家の十代目金原亭馬生。祖父は五代目古今亭志ん生。馬生は食道がんを患ったが、噺家の命でもある声帯を守るべく、手術を拒否。中尾と池波の結婚4年後、54才の若さで他界した。中尾は馬生を慕い、毎晩のように酒を酌み交わす仲だったという。
【8】『父の言葉』
「私の成人式のときに父から贈られたこの言葉は一生の宝物です」(池波)
私はフト思う
父親として今君を
見ていると幸福そう
に見える いつまでも
そうあってほしい
でも人はかならず
何かのカベにぶつかる
そのカベは重くのしかかって
くる その時逃げては
いけない
息をつめてその重さ
にたえるのだ キット
いつかそのカベは消えて
くれる イザと云う時
は人は助けてくれない
自分しかない
それを忘れないよう
そして時々自分の背中
を見るように そして
冷たく自分を見るのです
ハッと思う様な事が
見えることもあるものです
了見を正しく生きて
行く前提として
体だけは大事にして
もらいたい それが唯一の
頼みだ 何か面白く
ないことがあったら
人のいないところで空に向って
どなりなさい
お父さんのバカーと
父より
志乃どの
※女性セブン2018年6月7日号