「マイクロスコープで可視化されると、根管が捻れていたり、根管が2つだと思っていたら3つ、あるいは4つに分かれていたりと、これまで見えなかったところが分かるようになりました。確実な処置が可能になったのです。根管治療を40年やっているけど、昔と比べると雲泥の差だね」
注意したいのは、マイクロスコープを使っている歯科医は全体の1割程度であること。そして、マイクロを所有していれば、誰でも精度の高い根管治療ができるわけではないことだ。
「マイクロはあくまで道具、歯科医のスキルが重要です。患者さんの中には、マイクロで治療を受けたけど治らないという人が来ます。聞くと、治療時間が10分とか20分でした。それは適当にかき混ぜただけ。マイクロ使って、外科処置をやると、1歯につき約1時間は絶対にかかります。歯科医師って、すごく立派な先生もいるけど、根管治療に関してはとんでもない人間もいるから悲しくなります」
中川氏によると、日本歯内療法学会、日本顕微鏡歯科学会の認定医、指導医は一定レベルのスキルを持っているという。また、「ラバーダム」を使用しない歯科医は避けた方がいい。マイクロスコープほど倍率は高くないが、拡大鏡を使用する歯科医もいる。
※週刊ポスト2018年6月8日号