国内

年間69億円を売り上げる「株式会社日本大学」の謎

これが株式会社日本大学事業部(撮影/上野ヒトシ)

 日本大学の年間収入は2740億円。日大に次ぐ学生数2位の早稲田大学の1476億円をはるかに凌ぐ。この巨大な日本大学で、田中英壽理事長がトップに就任してから、新たに生み出された“収入源”が「株式会社」だった。

 東京・桜上水にある日大アメフト部「フェニックス」の練習場近くに、3階建ての建物がある。控えめな看板には「株式会社日本大学事業部」の社名が記されているが、住宅街にひっそりと建つこのビルが、巨大組織・日大の新しい収益の柱になりつつある“企業”だと気づく人はほとんどいないはずだ。大学経営コンサルタントの岩田雅明・新島学園短期大学学長がいう。

「少子化の流れがはっきりしてきた1990年代以降、各大学とも時代に即して積極的に収入源の確保に取り組み始めています。株式会社を設立すること自体、おかしなことではありません」

 早稲田大学には不動産管理を目的とした「早稲田大学プロパティマネジメント」、慶応義塾大学は「慶應学術事業会」、明治大学は保険代理業などを行なう「明大サポート」といった“子会社”がある。

 日大が100%出資している「日本大学事業部」の業務は広範にわたる。HPには「大学に寄付・還元することによる『新たな収益源の確保』(略)を目的として設立」と記され、学生向けの保険代理店事業や、食堂や購買部などの7つの事業区分が掲げられている。前出・岩田氏が続ける。

「学生の親に何かあった時の学資費用補償が受けられる保険商品などをこの事業部が扱えば、外部の代理店に流れていた手数料等の利益を事業部が得ることができます。それを大学本体に寄付することで利益を留保できる仕組みです」

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン