ジーコからは「世界に通用する唯一のFW」と言われた(AFLO)


 2006年ドイツW杯アジア予選ではエースFWとして活躍したが、最終登録で代表落ち。原因は腰、膝の怪我だった。

「サッカー選手って頭が固いからアドバイスを受けても聞かないし、自分のやり方は変えない。腰の痛みのときも手術だけは絶対にしたくなかった。今となっては自分の意思を通して良かったと思う。2007年にある先生との再会があり、腰を治してもらった。もし先生と会ってなかったらその年で引退してたし、今も不自由な身体だった」

 結果、36歳まで現役を続けられた。

「今は知り合いから頼まれれば、スクールに行ってサッカーを教えたり、イベントに出たりしてます。基本やりたいことをやるだけ。新しいことも面白そうだったらやるし、面白くないことはやらない。今は娘が頑張っているので楽しみが増えました」

 中学2年の次女・杏夏さんが、この世代では断トツの成績を誇るテニスプレーヤーとして世界を目指している。娘の活躍に目を細める様子といい、少し喋れるようになったことといい、新たな久保竜彦がそこにいた。

■くぼ・たつひこ/1976年6月18日生まれ、福岡県出身。FW。抜群の跳躍力とスピードでサンフレッチェ、マリノスでゴールを量産する。2002年日韓W杯、2006年ドイツW杯の予選で代表に呼ばれ続けるも最終登録で外される不運のストライカー。昨年、廿日市FC(広島)のコーチを辞任。現在、本業を模索しながら子煩悩な父親として奮闘中。代表キャップ数32。

※週刊ポスト2018年6月22日号

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