芸能

西城秀樹さん「知られざるエピソード」まとめ

(写真:時事通信フォト)

 歌手の西城秀樹さん(享年・63)が、2018年の5月16日に急性心不全で亡くなった。西城さんの歌手生活の秘話やプライベートのエピソードなど、NEWSポストセブンに掲載された記事から紹介する。(2018年6月16日更新)

◆2度の脳梗塞とリハビリ生活

 過去に2003年と2011年に2度、脳梗塞で倒れている。歌手として復帰するためにリハビリ生活を続けていた。

復帰への強い意志が感じられた(時事通信フォト)

︎歌手復帰目指した“不屈のリハビリ生活”

「韓国での公演中に脳梗塞を発症し、2011年に再発。言語障害と右半身麻痺の後遺症が残ったものの、リハビリの専門病院に通院して歩行訓練や筋力強化トレーニングなどをひたすら続けていました。一方で『構音障害』という呂律が回らなくなる後遺症を克服するために毎日、子音と母音を繰り返す発音練習にも取り組んでいました」(知人)

 懸命なリハビリの甲斐あって、昨年には自力歩行できるまでに回復。その後も1日数時間の歩行トレーニングと神経再生のための鍼治療を受けていたという。

2014年に脳梗塞からの「復活ライブ」

 2014年10月15日、西城さんが東京・中野サンプラザでコンサートを行なった。2003年、2011年と2度の脳梗塞を発症しながらも、ステージに立ち続ける姿に、ファンはペンライトを片手に大声援を送り続けた。西城さんは、右半身麻痺の後遺症が残るため、思うようには歩けず、曲の半分近くは椅子に座って歌う体勢を取った。それでも、アップテンポな曲になると、ステージに作られたスロープを伝いながら、若干、足を引きずりつつ動き回るシーンもあった。渾身のパフォーマンスに、ファンは惜しみない拍手とペンライトによる応援で盛り上げた。

◆2018年5月に他界

 4月25日に入院し、5月16日に急性心不全のため他界した。5月26日に葬儀・告別式が東京・青山葬儀所で営まれ、1万人以上が参列した。


葬儀に参列した野口五郎(写真:時事通信フォト)

弔辞を読んだ郷ひろみと野口五郎

 郷ひろみ「僕は秀樹のことを兄貴という風に思っていました。というか、まず最初にデビューした五郎が長男で、秀樹が次男。僕が三男。その思いは今でも変わっていません。これからも、秀樹の背中を見て、心の中でそう思って、ずっと歌を歌い続けていきたいと思っています。今まで、本当にありがとう。そして、安らかに眠って下さい」



 野口五郎「僕もひろみも、秀樹の代わりにはなれないけど、まだしばらくは頑張って歌うからね。おまえの分も歌い続けるからね。そして君を慕ってくれた後輩たちとともに、僕らの愛した秀樹の素晴らしさを語っていこうと思います。何よりも君を愛し、支え続けたファンの方々とともに」

◆国民的昭和の大スターが残した功績

 1972年にデビュー。『YOUNG MAN(Y.M.C.A)』や『傷だらけのローラ』などの代表曲を残した。

︎『ザ・ベストテン』“唯一の満点”の凄さ

 ワイドショーなどが西城さんの功績を紹介する際、よく言及されるのは、1978年から1989年まで放送された『ザ・ベストテン』でただ1人、満点の「9999点」を弾き出した歌手だったという点だ。『YOUNG MAN(Y.M.C.A)』は1979年3月15日から5月10日にかけて9週連続1位を獲得。4週目の4月5日、5週目の4月12日に9999点を記録した。

◆歌手・西城秀樹さんを支えた人たち

1970年代のトップスターとして不動の人気を誇った(写真:時事通信フォト)


昭和の大スターを育てたマネージャー

 数々のヒット曲を生み出した西城さんの陰には、スター歌手を育てても決して偉ぶらないマネージャーがいた。マネージャーの天下井(あまがい)隆二氏が『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』を1時間で訳詞を書き上げた。

 西城さんは天下井氏とレコード製造工場に訪れ、その場で従業員たちに向けて『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』を歌った。スター歌手、スター歌手のマネージャーだからと一段上から物事を見るのではなく、急な仕事をお願いされた従業員の気持ちに寄り添ったのだ。

「当時の西城さんの人気や多忙さからして、別に本人が訪れなくても、差し替えに文句は出なかったでしょう。天下井さんも西城さんも人の辛さや痛みがわかる人という証明だし、決して『自分のほうが上だ』という勘違いをしていなかった。1つの仕事をするのに上も下もない、みんな同じ立場だと心の底から思っていた。逆に言えば、そのような人たちだったからこそ、あれほどの大ヒット曲を生み出せた」(マスコミ関係者)

◆「新御三家」の絆と凄さ

「御三家」と呼ばれた、舟木一夫、橋幸夫、西郷輝彦らに次いで、郷ひろみ、野口五郎と共に「新御三家」と呼ばれ、1970年代の音楽シーンを席巻した。

告別式会場に飾られた3人の巨大パネル

「新御三家」 3人の初対面

「秀樹と五郎、秀樹とひろみはそれぞれ面識がありましたが、五郎とひろみは直接顔を合わせたことがなかった。あるとき、五郎が秀樹の楽屋に駆け込んでいき“すごくかわいい女の子が撮影している”と興奮気味に言ったそうです。2人で見に行ったら、その“かわいい子”とは舞妓役を演じるため女装していたひろみ。“あの子、ひろみって名前らしいぜ!”と話す五郎に、“あんな太い眉の女の子いるわけがないよ”と、秀樹は冷静にツッコんだ。そのとき初めて3人が顔を合わせたそうです」(芸能関係者)

◆残された3人の子供達

 18才年下の土木関連の企業に勤めるキャリアウーマンと2001年に結婚。結婚の翌年に長女が誕生。長男を2003年に、2004年には次男が誕生した。

3人の子供たちもそれぞれの夢を追いかける

才能を開花させる3人の子供たち

 西城さんへの憧れが強かったのが長男(14才)だという。

「西城さんがドラムを演奏している映像を見て、“ぼくもやってみたい”とドラムを始めました。長男の腕前はなかなかで、西城さんと同じステージに立ち、バックバンドでドラムを演奏したこともありました」(音楽業界関係者)

 長男が父の背中を追いかけるように、次男(13才)も父と同じ才能を開花させていった。
「一家でパリ旅行に行ったときに写生した絵がポスターに採用され、1枚2000円で発売されたこともありました。西城さんは、次男のことを“やんちゃ坊主なところがそっくりで、ぼくに似ている”と言っていました。彼は芸能界に興味を持っているそうです」(スポーツ紙記者)

 長女(15才)も父親っ子で、一緒によく病院へリハビリに通っていたという。

「奥さんと娘さんが西城さんを間に挟んで、同じ動きをしながら“誰がいちばん腕を上げられるか勝負だ”と言いながら、励ましていました。その娘さんの夢はダンサーだそうです。3人とも美男美女で、小さい頃は西城さんのお子さんだと知らずに、スカウトもされたことがあるほどです」(芸能関係者)

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