ビジネス

リゾート地「負動産」の末路 有料で引き取る業者も

タダ同然に資産価値がなくなるリゾートマンション

 バブル時代に雨後の筍のごとく建てられた有名リゾート地の高級マンション。いまや、その資産価値は著しく下落し、中にはタダ同然で“投げ売り”されている物件もある。「定年後に田舎暮らしをしたい」とリゾートマンションの購入に前向きなシニア層もいるが、安易に手を出すと大変なことになる。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。

 * * *
「私をスキーに連れてって」という映画が公開されたのは1987年の年末。世はまさにスキーブームの真っただ中。そして、経済は大バブルが真っ盛り。イケイケドンドンの風潮に押されるように、スキー場には次々とリゾートマンションが建てられた。そして、東京の郊外と変わらない価格水準で販売された。それでも飛ぶように売れたのがあの時代である。

 あれからすでに30年余り。スキーブームは昔話となった。今の若者のウィンタースポーツといえばスノーボードが主流だが、あの頃のスキーブームと比べれば何ともつつましい。

 そして、雨後筍の如く作られたスキー場のリゾートマンションはどうなっているのか? もちろん、今もマンションとしてしっかりと残されている。築25年以上の物件がほとんどで、建物は築年数相応に老朽化している。しかし、まだまだ十分に機能している。この20有余年で大きく変わったのは、建物の外観でも機能でもない。資産価値だ。

 例えば、新潟県の湯沢・苗場エリアにある築30年弱の某マンション。温水プールに温泉大浴場も完備しているが、高層階にある約30平方メートルの住戸が「10万円」で売り出されていたりする。10万円は家賃ではない。物件価格だ。

 この住戸、管理費は月額約2万円。固定資産税などもあわせると年間の維持費は30万円超になりそうだ。しかし、物件価格は10万円。要するに、持ち主は「タダでもいいからもらってください」ということなのだろう。

 ということなら、「お金を払ってくれるのなら貰ってあげる」というビジネスも成立するはずだ。そして、とうとうそういうビジネスが誕生し、急成長している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン