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リゾート地「負動産」の末路 有料で引き取る業者も

 さて、「有料で不動産の所有権を自社に移転させ、その処分を受託する」というビジネスモデルには、何か危険な臭いが漂っている。というのは、私の知人が過去に経験したエピソードが思い出されるからだ。

 彼はあのバブル時代に東北地方で分譲されたあるリゾートマンションを購入した。そこはゴルフ場やスキー場、室内温水プールなども同時に開発された一大リゾートだった。ところが、バブル崩壊後ゴルフ場やスキー場は運営に行き詰まって閉鎖。ホテルも廃業してしまった。残されたのは区分所有になっているマンションのみ。もはや休日に泊まりに行くだけの場所になった。

 しかも、ふたを開けてみれば全住戸の半数が元の分譲会社の所有。つまり売れていなかった。管理費が欠乏する中、管理組合はボス的な人物が支配して管理費等を大幅値上げ。反対派区分所有者グループとの内紛に発展。訴訟がいくつも起こされたという。

 反ボス派グループに属していた彼とその仲間たちは、最終的に1住戸10万円程度の謝礼を支払って、とある法人へ所有権を移転してもらった。その法人の所有者は高齢で闘病中。寿命が尽きれば相続人はひとりもいない、という境遇だったらしい。

 その所有権移転が7年ほど前の話。今はどうなっているのか分からないという。

 つまり「負動産」を引き取るビジネスは、最終的に誰も管理費や固定資産税を支払わない状態へ移行させることが目的、である場合が十分に考えられる。「負動産」を有効活用するのではなく、単に所有のコストを管理組合や行政に押し付けるだけ。もしそうなら、何とも犯罪的ではないか。

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