ビジネス

リゾート地「負動産」の末路 有料で引き取る業者も

 さて、「有料で不動産の所有権を自社に移転させ、その処分を受託する」というビジネスモデルには、何か危険な臭いが漂っている。というのは、私の知人が過去に経験したエピソードが思い出されるからだ。

 彼はあのバブル時代に東北地方で分譲されたあるリゾートマンションを購入した。そこはゴルフ場やスキー場、室内温水プールなども同時に開発された一大リゾートだった。ところが、バブル崩壊後ゴルフ場やスキー場は運営に行き詰まって閉鎖。ホテルも廃業してしまった。残されたのは区分所有になっているマンションのみ。もはや休日に泊まりに行くだけの場所になった。

 しかも、ふたを開けてみれば全住戸の半数が元の分譲会社の所有。つまり売れていなかった。管理費が欠乏する中、管理組合はボス的な人物が支配して管理費等を大幅値上げ。反対派区分所有者グループとの内紛に発展。訴訟がいくつも起こされたという。

 反ボス派グループに属していた彼とその仲間たちは、最終的に1住戸10万円程度の謝礼を支払って、とある法人へ所有権を移転してもらった。その法人の所有者は高齢で闘病中。寿命が尽きれば相続人はひとりもいない、という境遇だったらしい。

 その所有権移転が7年ほど前の話。今はどうなっているのか分からないという。

 つまり「負動産」を引き取るビジネスは、最終的に誰も管理費や固定資産税を支払わない状態へ移行させることが目的、である場合が十分に考えられる。「負動産」を有効活用するのではなく、単に所有のコストを管理組合や行政に押し付けるだけ。もしそうなら、何とも犯罪的ではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン