ライフ

防衛大マンガの作者と防衛大OB 「理不尽な指導」対談

『防衛大式 最強のメンタル』著者の濱潟好古氏


濱潟:まさにそのレベルです。あとは、応援団も厳しいですね。短艇委員会が練習場所へ向かう途中に、“ポンド階段”という急で長い坂があるんですが──。

二階堂:取材で行きました。ゆっくり上って、途中3回休みました(笑)。

濱潟:応援団はその階段を真夏に長袖長ズボンの真っ黒のジャージを着て20往復のダッシュ。その後、休憩だと言われて飲むのが、メチャクチャ熱いお汁粉です。「こんなことができなくて人を応援できるのかっ!」とか言われていました。

二階堂:苦行に苦行を重ねますか……。

濱潟:究極的には、幹部自衛官になるための訓練ですから。

 こんなこともありました。朝の清掃に遅れた下級生がいました。そうしたら、上級生が「帰れ!」って。で、下級生が「帰りません!」。「清掃やるんか」「はい」、「帰れ」「いいえ」、「清掃やるんか」「はい」、「帰れ」「いいえ」、「はいとかいいえとかドラクエかっ!」

二階堂:うまい(笑)。

濱潟:どれも、いまの普通の企業や学校でやったら完全にパワハラになっちゃうんですけど。

二階堂:でも、そういうギリギリの時って、ユーモアや笑いは大切ですね。

濱潟:大事ですね。へらへらするんじゃなくて、ユーモアや笑いは時として心を軽くします。会社や仕事でもそうですが、きつくなってくる時、笑いは自分を救います。少し笑えば、それだけで余裕ができますからね。

二階堂:『あおざくら』でも上級生の厳しい指導のシーンを描いていますが、「あんな先輩いたら無理でしょ」という笑いも込めています。読者の皆さんには、「あんな理不尽に比べたらまだ頑張れるかな」と笑ってもらいながら、逆境を乗り越える一助になれば嬉しいです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン