ライフ

防衛大マンガの作者と防衛大OB 「理不尽な指導」対談

厳しい指導のあり方について語り合った(左から濱潟氏、二階堂氏)

 日本一過酷な大学といわれる防衛大学校。そこでは上級生による厳しい“指導”が行われているという。防衛大を舞台にした少年漫画『あおざくら──防衛大学校物語』の著者・二階堂ヒカル氏と、同大OBで『防衛大式 最強のメンタル』の著者・濱潟好古(はまがた・よしふる)氏が、「理不尽な指導」について語り合った。

 * * *
濱潟好古(以下、濱潟):『あおざくら』8巻では初の校外訓練で、「上級生がいなくて極楽だ~」というシーンが描かれていましたね。実際にそうでした(笑)。理不尽な指導をする上級生がいないのは天国に感じましたね。日本広しといえども、「理不尽なことをする」って断言している組織はないと思います。

二階堂ヒカル(以下、二階堂):濱潟さんが所属されていた短艇委員会(カッターボートのクラブ。防衛大でも1~2を争うほど厳しいクラブ活動と言われている)でも、理不尽なしごきがありましたか。

濱潟:短艇委員会は“食いしばき”がありました。山盛りのご飯で、食べている途中でさらに上級生が盛ってくる。『日本昔ばなし』で見たことあるような、山盛りの茶碗です(笑)。減らないし、苦しくても食べるしかない。理不尽だと思うんですけど、漕ぎ手はパワーをつけるために必要なんです。逆に、号令をかける役割の艇指揮と、舵を握る艇長はほとんど食べない。自分が重さになってはいけないので。全日本大会前には固形物を食べられなくなって、授業中に倒れたこともありました。

二階堂:『あおざくら』でも、先輩が中華街に連れて行って店を何軒もはしごして「どんどん食え!」っていうシーンを描きました。気持ち悪くなるほど食べさせられるんですよね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン